QE-LABO 札幌でフリーコピーライター/デザイナーとして活動する五十嵐渉による、
問い(Question?)と気付き(Exclamation!)の発信基地。いろんな問いをお届けします。

『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』を読んで

『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』を読んで

 

著=印南敦史、大和書房

 

読書に対して「難しい、自分には向いていない、けど読みたい気持ちはある」という人たちに向けて、かなり優しく丁寧に書かれた本でした。
「本」というものへの固定概念をなんとかして変えてもらおうと、あの手この手で、筆者の素直な言葉を交えながら書かれていて、本への愛が感じられる素敵な本でした。

 

この本はだいぶ前にいただいた本で、なんだかんだと自分は読書が習慣化したので読まないで置いておいてしまった本でしたが、何気なく読んでみると案外気づくことが多かったです。
特に「本が読めないからダメなんだ」じゃなくて「そういうものだ」と受け入れるところから始めましょう、という筆者のメッセージにはかなり強く共感しました。
これは僕も時々陥りますが、「なんでダメなんだ」とか「できない」という部分に注目しすぎると「できる可能性」に目を向けることができなくなってしまいます。本当は「できるようになるために”これから”できること」を考えた方がよっぽどいいのに、どうしても「できない」に目を奪われてしまうことがよくあるものです。

この本は、読書に対してそんな状態に陥っている人に対して、「これからできる小さな一歩」を教えてくれる本だと思います。もし読書が苦手とか、読むのが遅いから読めないとか、そういうことを考えている人がいれば、オススメの一冊です。

 

本を読む人が減っている。
というのが本当なのかどうか僕にはよくわかりませんが、本を読む人が増えればいいなとは思っています。
なぜなら、本は1人で読むよりみんなで読んだ方が面白いからです。自分が読んだ本について、他の人はどう感じたか、何を考えたか、それを知ることが読書をする上で欠かせない魅力だと思っています。
自分では買って読まないような本も、人から勧められたりプレゼントされると読めたりして、今までとは違うものに興味を持てたりもします。
本を読む人が増えれば、より読書を楽しむ機会が増える。そう考えれば、より読書をする人が増えればいいなと思います。

 

この「一緒に楽しむ人が多い方が楽しい」というわかりやすい例は、本に近いところにあります。それは漫画です。

例えば人気漫画のONE PIECE。日本で読んでいるのが自分1人だったとしたら、同じくらい面白いでしょうか?
どのキャラが好きとか、どのキャラが一番強いとか、どのシーンが泣けるとか、この先の物語の展開がどうなるとか、そういった楽しみ方というのは、1人ではあまり味わえません。全く味わえないということはないですが、意見の違う人とお互いに「ルフィよりゾロの方が強いと思う理由」をプレゼンするみたいな、そんな楽しみ方はできないはずです。
漫画だけでなく、映画やドラマ、テレビ番組や音楽、そういったエンターテイメントの世界のものは、そういった「交流」を含めた楽しみがあります。
映画を見た後に誰かと「あのシーンすごかったね!」とか「オチの意味がわからなかったんだけど、どゆこと?」なんていう風に話すことの方が楽しいこともしばしばあります(特に内容の薄いB級映画なんかでは完全に観終わった後が本編)。

 

実は同じことを、僕たちは仕事でもやっています。
仕事のことを愚痴る集まりであったり、仕事の悩みを誰かに相談したり、もっとよくするためにどうしたらいいか熱いトークを繰り広げたり、仕事について他人と語り、交流します。
そうしてまた自分の仕事に戻り、活かしたり活かせなかったりして、またそれを誰かに話して聞いて、次に向かいます。
それが「楽しい」と感じているかどうかは別として、「それがなかったら」と考えるとどうでしょう?
毎日仕事に行って、帰ってきて、誰にも仕事のことを話さず、何年も何年も働き続ける。誰かと仕事の話をするのと比べると、かなり鬱々とした気分になりませんか?
実際、そういった生活をしている人もたくさんいるのだと思いますが、僕はとても苦しいことだと思います。人生は自分1人で楽しんだり苦しんだりするにはちょっとボリュームがありすぎるんだと思います。
だから誰かと「どうだった?」と話をすることが楽しいと感じるようにできているんじゃないか、と僕は思います。

 

読書の話に戻りますが、つまり、読書もそうやって楽しめばいいのだと思うのです。

1人で読んで、1人で楽しもうとするから楽しめない。
でも読書は1人でするものだという思い込みがある。
だから読書はしない。

そんな人がたくさんいるんじゃないかと思います。

 

「この本好きじゃない」とか「難しくて1ページしか読めなかった」とか、そういう時でもその話を誰かとすれば楽しくなるかもしれない。
本を読むだけが読書の楽しみかたではないよなぁ、と思いました。